コラムの名打者、豊田泰光

1月 21st, 2014

最近は、元西鉄ライオンズの豊田泰光さんの著書をまとめて図書館で借りて読んでいる。

昨秋、豊田さんは「週刊ベースボール」で約20年続いたコラム「豊田泰光のオレが許さん!」を終了し、さらに年末、日経新聞木曜日の連載コラム「チェンジアップ」も相次いで終了させた。実質、プロ野球のコラムニストとしての引退である。

プロ野球選手で、引退後にコラムニストになる人はあまりいない。アナウンサーから聞かれたことに答えていればそれなりに形になる野球中継の解説と違い、題材を決めて文章を執筆するには、発想や知識、構成力、文章力などが必要だからだ。これは一朝一夕に身につくものではない。

豊田さんはスポーツニッポンの専属ライターとして、プロの編集者に鍛えられたという。現役引退後は、コーチとしてあまり実績がなく、解説者としてもフジテレビの「野球を大切にしない」姿勢からフジテレビと絶縁した豊田さんにとって、野球のライターは背水の陣だったのかもしれない。しかし、豊田さんの歯に絹着せぬ物言いと、プロ野球に対する愛情は文章として昇華され、10数年続く名物コラムとなった。

一部では“老害”と言われることもあるが、元プロ野球選手としての筋の通った主張は、少なからずプロ野球ファンを惹きつけた。私は日経新聞の「チェンジアップ」を毎週楽しみにしていたが、コラムの“打率”はかなり高く、毎週のように「なるほど」と唸らせられた。

昨今は、プロ野球選手の引退後の再就職先も“氷河期”だと聞く。そんな時期だからこそ、豊富な体験をもとに文章で勝負できるコラムニストは狙い目かもしれない。だが前述したように、コラムニストは野球とはまた異なる技術が問われる世界だ。豊田さんに続く、元プロ野球選手のコラムニストの出現が待ち望まれる。



One Response to “コラムの名打者、豊田泰光”

  1. 俺とお前と豊田泰光 | 酔って候/文化系人のよしなしごと on 8月 23, 2016 22:09

    […] を知らないが、野球のコラムニストとしての豊田さんの大ファンだった。それについては、彼が一昨年、長期にわたって連載していたコラムを次々と終わらせたときに日記に留めている。 […]

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