男の厨房
80年代のバブルによる好景気は、日本にグルメブームを起こした。やがてプロの料理人たちがクローズアップされるようになり、人気店の料理人がメディアに登場するようになった。周富徳さんもその一人だった。
1993年には『料理の鉄人』の放送が始まった。それまでマンガの世界の出来事だった料理バトルが毎週テレビで放送され、見たこともないような創作料理の数々にテレビの前で唾を飲んでいた。周さんも和の鉄人、道場六三郎と2度対決し、1勝1敗の成績をおさめている。この対決は構成の小山薫堂氏によってフィクションを交えた小説になり、小説の中ではさらにドラマチックな戦いが繰り広げられた。
バブルが弾けた後も、グルメブームは終わらなかった。むしろ不景気になるにつれ、それまでB級とされていたラーメンが人気になった。その中で出てきたのが佐野実さんで、彼はTOKIOのバラエティ番組『ガチンコ!』の企画「ガチンコラーメン道」で広く知られることになる。
私の周りでも「ガチンコ!」は大人気だった。私はM字額なので、髪をかきあげると佐野さんのようになるため、「ラーメン道」の佐野さんの真似をして友達のウケを狙うことが多かった。
佐野さん、周さんが相次いで亡くなったのは、そんなグルメブームの一つの区切りのような気がする。もちろん、彼らが亡くなっても、一度肥えた日本人の舌は衰えず、これらからもグルメブーム、ラーメンブームは続くだろう。
彼らの姿は、「料理をする男はカッコ良い」ということを世に広めた。プロの料理人がメディアに登場することが増えるにつれ、「男子厨房に入るべからず」という習慣は影を落とし、男性が積極的に料理をするようになった。私もそんな料理人たちに憧れ、料理をすることが好きになった。腕はいつまでも素人だが。
世の男性たちに料理を作ることの楽しさを教えたという点でも、彼らの功績は決して小さくはないと思う。
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