ブロードウェーと歌舞伎町
4月 18th, 2016
報道によると、米国を訪問中の舛添要一東京都知事が、東京にもニューヨークのブロードウェーのような劇場街をつくりたい、と表明したという。
えてしてこういう発言を安易にしてしまう人に限って、ろくに舞台を観たことがなかったり、ましてブロードウェーとタイムズスクエアの違いも分からないのかもしれない。
今の東京にも劇場街がないわけではない。例えば日生劇場や宝塚劇場がある日比谷周辺は、規模こそ小さいが「東京のブロードウェー」のような感じがするし、歌舞伎座や新橋演舞場など、伝統芸能を中心に上演する劇場がある東銀座周辺も、「日本のブロードウェー」といった趣がある。
だが、舛添知事の思惑は別のところにあるのではないか。それはおそらく歌舞伎町の再開発ではないかと思う。歌舞伎町はその名のとおり、もともとは戦後に歌舞伎の劇場を造り、芸能の街にしようとしていた。だが、その構想は立ち消え、代わりに新宿コマ劇場が作られた。次第に飲食店や風俗店なども増えて現在の一大歓楽街となった。
実は、タイムズスクエアの歴史も歌舞伎町のそれと似ていて、当初は演劇の街だったが、世界恐慌とともに風俗店が立ち並び、治安の悪い街となる。それを1990年代半ばに一掃し、ふたたび健全な演劇の街にしたのがルドルフ・ジュリアーニ市長だ。
舛添知事も歌舞伎町を再開発して健全な街にし、世界に強い影響力を及ぼす東京の“和製ジュリアーニ”を目指しているのではないかと思うのは、勘ぐりすぎだろうか。先日のゴールデン街の火災は、これとは無関係なのだろうか。
私も若い時分は歌舞伎町で夜を徹して遊んだものだが、今は遊ぶ体力もない。もし、歌舞伎町が再開発され、歌舞伎のような伝統芸能からミュージカルまで上演される演劇の街になるなら、それはそれで賛成だ。
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