行こうぜ ピリオドの向こうへ…

3月 13th, 2014

あけぼの「はやぶさ」が廃止されたときも、「北陸」が廃止されたときも、「あけぼの」は注目されることもなく黙々と走っていた。雨風雪などで運休(=マケボノ)になることはあっても。

だから、今回の「あけぼの」廃止決定からの「あけぼの」人気には妙な違和感がある。あれだけ老朽化しているのだから、今まで廃止にならなかったのが不思議なくらいだ。

故郷が山形県の酒田市である私は、「あけぼの」を何度か利用した。B寝台ソロ、開放式B寝台ともに、寝台列車特有の非日常性から来る楽しさはあっても、決して快適とは言えない。もう十分に乗ったのだ。思い出はあっても、廃止を惜しむ気持ちはない。

かつては「庄内往復きっぷ」(22000円)が存在し、それで乗る「あけぼの」はお得だった。「あけぼの」での帰省は、ちょっとしたOne Night Carnivalだった。

俺んとこ 乗らないか?

乗る前から、興奮で胸の奥がZuki-Zukiと音を立てる。とにかく行儀よく真面目なんてうんざりなので、自席に着くなり浴衣に着替えて通路の折りたたみ椅子に座り、酒を飲みながら並走する京浜東北線の客を眺めるのもオツだ。

高崎駅を過ぎ、山間部に入ると、山の中腹から高崎市内の夜景が見える。これがたまらなく美しい。そのうちやることがなくて、退屈に怯えていた。仕方がないのでカーテンを締め、灯りを消し、夜の闇に逃げ込むことになる。

浅い眠りから覚める頃、列車は長岡駅での機関社交換で長時間停車していた。ホームの照明が眩しい。瞬きもせずに俺達は光の渦に巻き込まれてくようだ。

長岡駅を出発すると外はふたたび暗くなり、雲の隙間に青白き月を見た。星が瞬いているのも見える。

眠れないが、この「あけぼの」の車両に揺られているこの感覚がたまらない。恋してるのだ。この夜に恋してるのだ。

列車は村上を過ぎ、やがて海が見える。この旅はさびしがり屋達の伝説の旅だ。

そして早朝5時、列車は酒田駅に到着し、この旅は終わる。「あけぼの」のOne Night Carnivalは終了だ。Let’get free…

何だかんだと楽しんでいたなぁ。明日で「あけぼの」の役割も終わる。ピリオドの向こうへ旅立つのだ。長年、ありがとう。



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