おしい中華料理店

4月 18th, 2014

3ヶ月ほど前の日記で、近所に出来た中華料理店のことを書いている。

このお店は中国人の兄ちゃんが調理師で、そのお姉さんが給仕を務めていた。とは言っても彼らがオーナーではなく、雇われ店長のような感じだったのだと思う。

都内では居抜き物件に中華料理店ができることが多く、店名こそ違うが類似性の見られるお店が多い。中国人の調理師にそういったお店を任せるような組織、あるいはネットワークがあるのだろう。

このお店の兄ちゃんは、料理の腕は超一流で、出てくる料理に驚かされることが多々あった。我々夫婦は、この兄ちゃんの作る中華料理の虜になり、何度も通った。とくに刀削麺が絶品だった。兄ちゃんの方も、我々夫婦のことを気に入ってくれていたようだった。

一方、この兄ちゃんは商売ッ気がないというのか、例えば金曜日の夜という稼ぎどきに、客が少ないことをいいことに店を閉めて遊びに出かけたがっていた。私たちの食事が済むや、店じまいをお姉さんに任せ、仲間たちとさっさと遊びに出かけたりしていた。

2月になると給仕のお姉さんがいなくなった。尋ねると、他の店に移ったとのことだった。代わりに若い女性の給仕が入ったのだが、この人がとても不慣れだった。前のお姉さんはとても気が利く人だったので、その落差は激しかった。

いつか新しい給仕の人も慣れるだろうと期待していたが、腕は一流だがあまり仕事に積極的でない兄ちゃんと、不慣れな給仕の女性で、店はだんだん回らなくなっているようだった。お客の多いランチタイムなどは、お客を捌ききれなくなっていた。

3月中旬ごろ、「4月初旬まで休業する」という旨の張り紙がしてあった。そして4月になると店の看板が変わり、別の店名になった。だが、店先の装飾や内装は以前と一緒だった。

今日、会社帰りに夫婦で行ってみると、スタッフもメニューも変わっていた。料理の味は悪くはない。だが、前の兄ちゃんの料理のような感動はなかった。ただ、以前よりもお店としてはきちんと機能していた。

あの兄ちゃんは、どこへ行ってしまったんだろうか。もう、兄ちゃんの作る絶品の中華料理はもう食べられないのだろうか。もし、お姉さんが給仕を続けていれば、以前のお店はもう少しきちんと機能したかもしれない。料理の味は確かなのだから、近所でも評判のお店として定着しただろう。そう考えると、実に惜しい店だった。

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