オッサンを魅了した『マッサン』

3月 30th, 2015

朝ドラ『マッサン』が終了した。半年前に私は「『マッサン』はオッサンを魅了するか」という日記を書いたのだが、『マッサン』は見事にオッサンをも魅了した。

平均の視聴率は21.1%と合格点だが、視聴率が良いからといって名作とは限らない(その逆も然り)。むしろ社会的なムーブメントを起こしたという点で、『マッサン』は成功したといえる。昨年9月~11月の国産ウイスキーの売上は前年比146.0%も増加したという。まさに『マッサン』はウイスキーブームを巻き起こしたのだ。

正直、『マッサン』は不思議なドラマだった。放送開始からひと月後の11月はウイスキーも作らずに中だるみが続いた。ようやくウイスキーを作り始めたと思ったらあっさり辞めて余市へ渡る。このあたりは、モデルとなった企業(サントリーだが)への配慮もあったのだろう。玉山鉄二演じるマッサンのキャラの自己中心さや独り善がりも目立っていた。

余市へ渡ってからはようやく本調子になったが、ウイスキー作りよりもむしろ家族の絆や時代背景を描くことに重点が置かれていた気がする。ウイスキー作りがメインと思っていた層からすると、少し肩透かしだった。

そしてウイスキー作りが丹念に描かれるのは、最高のウイスキーを作る過程ではなく、安くて旨い3級ウイスキーを作るエピソードという、これまた肩透かしを食らうような展開。主人公にとって重要なポジションであるにもかかわらず、史実とは違うキャラクターたちも多数登場し、脚本としては結構デタラメなところもあった。にもかかわらず、毎日欠かさず見てしまう不思議な魅力が『マッサン』にはあった。

これからもニッカのウイスキーをグラスに注ぐとき、『マッサン』の物語が脳裏によぎることがあるだろう。『マッサン』はウイスキー好きのオッサンにとって忘れられないドラマになった。

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