幻のカレーを再現する
今日の晩ごはんはカレーライス。この時期のカレーは作り置きできないので、夫婦で食べきれる量だけ作る。
通常の半分の量なので、フライパンで作ることにした。肉や野菜をしっかり炒めることで、旨味が増すのではないかという期待もあった。
また、今日は以下のようにした。
・玉ねぎとニンジンはスライサーでみじん切りにする
・水の代わりに「い・ろ・は・す とまと」を使用
・オリエンタルカレーのカレー粉を使用
・横須賀海軍カレー本舗で買ってきたフルーツチャツネを使用
他にはジャガイモとナスを入れ、夏向きのナスカレーとした。
できたカレーは濃厚でコクがあり、フルーティだった。妻も喜んでくれたし、私も会心の出来だった。
話はここからだ。
今日作ったカレーは、どこかで食べたものと似ている気がした。記憶を辿ってビックリした。
今から四半世紀ほど前、私が大学に入学した頃、学生街の一角に「カレーの藤」というカレースタンドがあった。450円でボリューム満点のカレーライスが食べられる。大盛は普通の人なら完食できない量だった。
また、店員さんも特徴的だった。スケートの荒川静香さんに似たお姉さんと、年配のおばさんが切り盛りしていた。実際に働くのはお姉さんのほうで、ロボットのようなキビキビした動作で店を切り盛りする。
カレーライスは量が多いので、途中でルウが足りなくなる。お姉さんはスタンドのお客の状態を常に把握し、絶妙なタイミングで「カレーかけましょ」と言ってルウを追加でかけてくれる。だが、お客のほうからルウの追加を頼むと、無視されたり注意されたりするのだった。私はこのお店が大好きで、ほぼ毎日通っていた。
人気店だったが、1992年の春に突如閉店してしまう。この突然の閉店は学生たちを驚愕させ、閉店の張り紙に皆が寄せ書きを書いたり、学内情報誌で特集が組まれるほどだった。
多くの人に惜しまれつつ閉店した「カレーの藤」だったが、カレーの味も独特のコクと甘さが特徴だった。「カレーの藤」の閉店により、独特のカレーが食べられなくなったことが残念だった。
今日作ったカレーは、その「カレーの藤」のカレーに似ていた。長い間食べたくても食べられなかった“幻の味”を、偶然にも自分自身で再現したのだ。「カレーの藤」のカレーを完全再現するにはもう少し工夫が必要だが、方向性は見えてきた。思い出を自分の手で再現する。これほど面白いことはない。
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