ありったけの魅力をかき集めた「スーパー歌舞伎II(セカンド)ワンピース」

11月 1st, 2015

公演決定から各方面で話題を集めてきた「スーパー歌舞伎II(セカンド)ワンピース」を観てきた。

結論から言うと、まさにスーパー歌舞伎は四代目猿之助によってメジャーバージョンアップを遂げ、正真正銘の「セカンド」になったのだ、と感じた。そしてこの演目は、今日本で見られる最先端の舞台である、と断言する。

前作「スーパー歌舞伎II 空ヲ刻ム者」には物足りないものがあった。その感想は昨年の日記に書いてある。前作は「セカンド」と銘打ちながら、実際はバージョン1.2程度だった。

前作に最も足りなかったのは物語性であり、それを「ONE PIECE」という既存の作品、それも現在最も人気のあるマンガを土台にすることで補った。そこに四代目猿之助の真骨頂であるケレン味、派手な立ち回り、客席と一体となったライブ感が加わるのだから、面白く無いはずがない。そして、前作のテーマでもあった「友情」。これを「ONE PIECE」という物語を通じてしっかりと表現できたのではないかと思う。

スーパー歌舞伎の醍醐味である宙乗り、早替りに加え、「鯉つかみ」も凌ぐ本水を使った派手な立ち回り、主人公ルフィの特長である手が伸びるアクションなども見応えがある。宙乗りを応用したワイヤーアクションも度肝を抜かれる。猿之助を見慣れている我々でさえ驚くのだから、歌舞伎初見の人たちもさぞ、歌舞伎の凄さを実感したのではないか。さらに、シルク・ドゥ・ソレイユやミュージカルの要素、プロジェクションマッピングなども加わり、四代目猿之助が本来目指したかったのはこういう演目なのだろうな、というのを実感した。

「スーパー歌舞伎II(セカンド)ワンピース」は、歌舞伎とマンガという、日本を象徴するカルチャー同士が化学反応によって巨大なエネルギーを生み、大爆発を起こした名作だった。21世紀の歌舞伎の指標となる作品だ。この作品は「ヤマトタケル」のように、長年にわたって上演してほしい。そして、歌舞伎ファンよりも歌舞伎を知らない大勢の人、とくに若い人に観てもらいたい。きっと「歌舞伎ってすげぇな!」と思うだろう。

興奮が冷めやらない。まだまだ書きたいことがたくさんあるが、それは追々書いていくことにする。

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