たいようのマキバオー

2月 28th, 2017

Webサイト「週プレNEWS」で連載していた「たいようのマキバオーW」が完結した。「週刊プレイボーイ」での連載から数えると、実に10年に及ぶ連載だった。

名作「みどりのマキバオー」の続編として2007年に始まった「たいよう~」は、前作と違い、高知競馬、すなわち地方競馬を舞台とした作品だった。2000年代前半のハルウララブームの影響を少なからず受けている。一方で、中央ではディープインパクトが活躍し、そういった地方と中央の違いを描こうとした作品だった。タイトルの「たいよう」は、太陽と大洋を掛けたもので、高知の大海原から昇る朝日をイメージしたのだろう。

週刊誌での連載は、主人公文太(ヒノデマキバオー)が統一GI帝王賞を制覇するところで終わる。以後、ウェブサイトでタイトルに「W」が着いて物語が続く。この「W」は、週刊(Weekly)や、ウェブ(Web)、そして世界(World)などの「W」だろう。実際ウェブに移行してからは、日本競馬の世界への挑戦が描かれる。前作で中途半端に終ってしまったテーマだ。そして最後には文太の凱旋門賞挑戦を描き、昨日発表された後日談で物語が完結した。

前作も名作だったが、今作もそれを上回る名作だったと思う。日本の競馬が抱える問題、地方と中央、日本と世界、といった部分を見事に表現した。そして前作同様、挑戦し続けることの大切さや、世代を越えていくことの大切さをよく描いた。そこには、作者の競馬に対する深い愛が込められていたと思う。

作者のつの丸は、マキバオーは描ききったという。もうマキバオーの物語を読むことができないのは残念だが、そもそもマキバオーの続編を描いてくれた時点でファンにとってはこの上ない喜びだったのだ。多くは望むまい。

願うことなら、前作と今作を合わせ、JRA馬事文化賞を与えてほしい。これらの作品が若い世代に日本の競馬への関心を持たせたことは事実なのだから。

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