「きのう何食べた?」に見るLGBTとお金
「きのう何食べた?」が終わった。LGBT当事者として、あるいはミーハーな“腐女子”として、さまざまな感想があるのだけど、思いついたものを書いていきたい。
まずは、このドラマの隠れたテーマは「お金」だった。メインは主人公のシロさんが作るさまざまな家庭料理だけど、これはシロさんが月の食費を2万5000円に抑えたいという動機からのものだ。シロさんは倹約家でスーパーの商品の値段に1円単位で一喜一憂するし、パートナーのケンジがコンビニで定価でアイスを買ってくると注意する。
そして、ケンジの「シロさんって、お金好きだよね」という問いかけに毅然として答える。
「金が好きで何が悪い。子供に面倒見てもらうなんて将来のない俺が、最後頼りになるのは金だけだろ」。
これはまさしくLGBTの人生について的を射た発言だと思った。「老後2000万円」問題が世間を騒がせているけれど、もとより年金だけで老後が送れるとは思ってはいない。シロさんは弁護士、ケンジは美容師というそれぞれ自営業であり、年金が当てにできないという事情もあるのだろう。シロさんがパートナーのケンジと共に静かな老後を送るためにはそれなりの蓄えが必要なのだ。
シロさんが作る美味しそうな料理と、シロさんとケンジのありふれた日常が人気の要因だけど、その根底には「お金」というリアルがある。料理の隠し味のように、このリアルがスパイスとしてドラマを引き立てている。
だけど、シロさんは倹約家であってケチではない。食費2万5000円は主に朝晩、休日の食事であって、仕事では外食もするし、小日向さんやジルベールといったゲイ仲間と食事に行くこともある。外食費がかさむようであれば、小日向さんやジルベールを部屋に招いてのホームパーティーを提案する。このあたりのバランス感覚もシロさんの魅力だ。
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