麒麟は完走した

2月 7th, 2021

大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回。見事な最終回だった。東京オリンピック・パラリンピックの影響で最初から全44回の予定だったものの、放送開始を控えた一昨年11月に出演者が麻薬取締法違反で逮捕され、取り直しを余儀なくされた。さらにはCOVID-19による撮影の中断。決して順風満帆ではなかった。

それでも、数々の制約の中でできる限りのことをやろうという関係者、出演者の熱意は画面越しにひしひしと感じられた。

撮影の制約があったからこそ、そして後半は尺不足になったからこそ、余計なものを限りなく削ぎ落とした。ときには有名なエピソードさえ、大胆にカットした。合戦シーンも女優も、ただの尺稼ぎに過ぎないのだと言わんばかりの清々しさがあった。そして、明智光秀と織田信長の関係性とそれをめぐる周辺の人々にのみ焦点を当てた。大河ドラマとは史実の羅列ではなく、ドラマなのだと、割り切った。

おかげで物語がブレることがなく、最後まで完走した。余韻の残る良い締め方だった。間違いなく、名作だと思う。

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