とても我慢ができなかったよ

6月 11th, 2014

新駅ができると複合駅名で決着する場合が多い。

私が利用している東京メトロ南北線は、乗り降りする駅がどちらも複合駅名だ。複合駅名の場合、駅の場所が二つの町名にまたがる場合が多い。少し離れた町名の住人が“越境”して駅名を主張するケースというのはあまりないし、あったとしてもそれは少し図々しい感じもする。

ところが、北海道新幹線の駅名は揉めたようだ。現渡島大野駅に建設される新幹線駅名が「新函館北斗駅」に決まった。

この駅は、北海道北斗市にある。当初は「新函館」という仮称だったが、これに対し北斗市は我慢ができなかったようだ。駅の所在地が北斗市なのに、なぜ駅名が「函館」なのか、という思いはあっただろう。

我慢ができなかったのは函館市の方も同様だった。地域のブランドとしては「函館」が圧倒的に強い。だが渡島大野駅は、函館からは函館本線で七飯町を越えてその先にある。駅が函館市にまたがるとか、函館に関係がある場所ではない。本来なら、駅名に関して函館が口を挟む余地はないのだ。

結局、旧来の仮称である「新函館」に「北斗」を付けることで決着したようだが、函館が先にあるところに微妙な力の差を感じるし、「北斗」をねじ込んだところに北斗市の意地も感じられる。

しかし、駅名が「新函館北斗」になったところで、函館市内に行くためには「新函館北斗」駅で函館本線に乗り換えなければならない。函館に行くためには、以前は八戸駅で、今は新青森駅で、それぞれ白鳥に乗り換えなければならなかったが、新幹線が北海道に延伸したところで、新幹線で直に函館市に行けない情況は変わらないのだ。函館が好きで何度か訪れている私としては、このあたりが一番我慢できない。

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