TVオバケてれもんじゃ

6月 29th, 2014

斎藤晴彦さんが亡くなって、私の周りの何人かは「ロボット8ちゃん」のバラバラマンを思い出していた。しかし私が思い出したのは、かつてフジテレビで放送していた「TVオバケてれもんじゃ」という特撮ドラマだった。

1985年に毎週木曜日の19時半から放送していた番組で、東映不思議コメディーシリーズをベースに、当時のフジテレビのイケイケなノリを合わせたようなテイストだった。主人公の男の子の家のテレビは8チャンネル(フジテレビ)しか映らず、他チャンネルが見られない、という設定からドラマは始まる。そしてそのテレビの中からてれもんじゃが出てきて、さまざまな騒動が起きるという、ドタバタコメディーだった。

斎藤晴彦さんは、てれもんじゃを付け狙う電気屋の「ザ・グレートデンキ」を演じていて、まさにロボット8ちゃんとバラバラマンを彷彿させるような関係だった。

それほど人気がなかったのか、番組は1クールで終了してしまった。ちなみに後番組は大ヒットした「スケバン刑事」である。ちなみに番組終了から1年ほど後に、「鶴太郎のテレもんじゃ」というバラエティ番組が始まるのだが、両者の間に関係はない。

8チャンネルしか観られないという設定は、当時民放が2局しかなかった山形に住んでいた私の心を捉えていた。日本テレビ系列とフジテレビ系列の2局で、テレビ朝日やTBS、テレビ東京などの番組の多くは観れなかったし、中途半端に他局とクロスネットしていたので、日テレやフジの番組でも放送しなかったり、遅れネットで放送していることもあった。

民放だけで5局もある東京がうらやましかったし、それがそのまま東京への憧れへと繋がっていた。「てれもんじゃ」も作品の舞台は東京(東武東上線沿線?)で、テレビ越しに見える東京の風景、といったものは田舎の私には憧れの場所であり、「てれもんじゃ」を通じて私は東京の風景やそこに住む人々の生活を感じ取っていたのかもしれない。

    カテゴリー