空飛ぶ冷やし中華

7月 11th, 2014

ラーメンは哲学だ。人々はさまざまな店を食べ歩き、評価し、語る。ラーメンと言えど細分化され、ある人は家系ラーメンにこだわりを持ち、ある人はつけ麺こそが至高と言い、ある人はラーメン二郎とそのインスパイアについて熱く語る。

ラーメン好きにも好き嫌いがある。私とよく一緒に二郎に通っていた上司は、つけ麺だけは理解できない、と言っていた。ときにラーメンは宗教化する。

ラーメンがブームになり、人々がラーメンを語るようになったのは90年代頃からだと思うが、実は70年代には「全日本冷し中華愛好会」という団体が存在し、「空飛ぶ冷し中華」なる本も出ていた。メンバーには山下洋輔、筒井康隆、タモリといった錚々たる名前が並ぶ。

今ほどバラエティに富んだラーメンが食べられる時代ではなかった頃、夏しか食べられない冷やし中華は特別な存在であり、冷やし中華は語りつくせぬ魅力があったのかもしれない。

そういうわけで、今無性に冷やし中華が恋しくなっている。

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