長期連載に名作なし

5月 16th, 2014

某グルメ漫画が鼻血を出したとかで大変な騒ぎになっているが、「まだ連載が続いてたのか」と逆に驚いた。あの漫画は80年代のグルメブームをけん引し、アニメ化されてた頃がピークだった。

ビッグコミック系には長期連載が多いが、いずれも全盛期の頃の面白さはなく、止め時を見失い、ダラダラと続いているケースが多い。『あぶさん』が終わったのは記憶に新しいが、あれはもっと早く終わったほうが名作になったはずだ。コンスタントにクオリティを維持出来てるのは、分業制のスタイルを取り、複数の脚本家がいる『ゴルゴ13』ぐらいだろう。

ビッグコミックに限らず、他誌の作品でも、長期連載は名作たりえないと思う。“かつては名作だった”作品と言えようか。名作であるがゆえに引き伸ばされ、全盛期のクオリティが維持できなくなった作品ばかりだ。『こち亀』もファンになればなるほど、「○巻までは面白かった」という話になり、今の『こち亀』は評価されない。

麦わら帽子の主人公が「海賊王におれはなる」と言ってから17年。いまだに彼は海賊王になれていない。その間に連載が始まって完結した『アイシールド21』では、主人公が文字通り“アイシールド21”になれた。小早川瀬那は7年でアイシールド21になれたのに、麦わら帽子は17年かかっても海賊王になれないのだ。さっさと海賊王にしてやれよ。

歴代の少年ジャンプの名作といえる数々の作品は、意外に連載期間が短い。それでも引き伸ばしは見られたが、グダグダになる前にすっぱり終わった作品が多い。だからこそ、名作としていつまでも語り継がれるのだ。

長期連載の弊害として、連載が長期化するうちにテーマが散漫になってしまうのだと思う。鼻血問題もその辺りが原因なのだろう。こういった長期連載は、素直に引導を渡すのが一番だ。

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